2018-01-01から1年間の記事一覧

『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』感想

・異性愛「反生殖主義に勝ったッ! 第2部2章完!」 『FGO』第2部2章『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』を攻略しました。以下、その感想です。 ・まさかのメインシナリオでの奈須きのこの続投。というわけで大満足でした(ここで順接は失礼かもしれません…

『俺ガイル』、『私モテ』、青春群像劇 - アンチテーゼとしての西尾維新 -

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』9巻までを読んだ。最新刊は12巻で、他に短編集が2巻あるのだが、ここで一区切りのようなので止める。せっかくなので感想を書く。 ○1巻 基本ギャグで最後に「ちょっといい話」がくるという、ごく普通のライ…

異聞帯とは何か - ホームズ、クトゥルフ、天才と凡人 -

『FGO』第1部はマシュの短命さがわかったところで主題がはっきりしたと思う。つまり、人間が愚行の歴史を歩み、生きる意味とは何かということだ。有体にいえば実存主義だ。その点、その主題は終章に先立ち、第6章で決着している。 さて、第2部も第1章でおお…

劇場版『名探偵コナン』全21作レビュー

いまさら劇場版『名探偵コナン』をみようと思う人間に、どの作品が好適か教えることなどできないし、そもそも自分は他人に合わせるのが苦手だ。だから、このブログ記事では未視聴者に配慮して物語の核心を伏せることなどはしないが、要約したプロットを併記…

『放浪息子』と『家の馬鹿息子』 - 志村貴子論 -

(戦争体験者のサルトルの村焼き。本論とは関係ない) 『放浪息子』は名実ともに志村貴子の代表作だろう。『放浪息子』は〈放蕩息子〉の言葉遊びだが、文学史上、もっとも名高い〈放蕩息子〉はサルトルの『家の馬鹿息子――1821年から1857年にかけてのギュスタ…